WHEELCHAIR GLOVES車いす用グローブ
商品概要
車いすのハンドリム(タイヤの外側に付いている持ち手)と手の間に起こる摩擦から手を保護するための手袋です。
手のひら部分にクッションを入れることで、ハンドリムとのフィット感を高めています。
滑り止め効果のある生地を使用しているため、ゴムと比べると雨や手汗でぬれたときに滑りにくくなっています。
製品名 | 車いす用グローブ |
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色 | BK/BL(今後カラー追加予定) |
サイズ | S・M |
主素材 | 合成皮革・人工皮革・ナイロン/ポリエステル |
生産国 | 日本/ベトナム |
取り扱い上の注意 | サイズ違いを無理に引っ張ると型崩れをしたり、破れることがあります。 濃い色の手袋は雨や汗などでぬれた際に色落ちする可能性があります。 使用後は汚れを落とし、風通しの良いところで陰干ししてください。 色移りする可能性がありますので、ぬれた状態で衣類などと一緒に収納することはお避け下さい。 火気・直射日光・乾燥機・アイロンでの乾燥はお避け下さい。 ベンジン類のご使用はお避け下さい。 |
洗濯方法 | 汚れた場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で手洗いしてください。 クリーニングや乾燥機、漂白剤の使用は避けてください。 洗濯後は陰干しして十分乾燥させてください。 |
開発の経緯
普段使いしやすい車いす用グローブを実現したい
パラアスリートの選手から「日常、車いすをこぐときに手を保護できる手袋がほしい」と相談いただいたことが開発のきっかけです。
ハンドリムを握る手には大きな摩擦がかかるため、普段から手袋をしている方が多くいます。とくに坂道などは手への負担も大きく、グリップ力が強い生ゴム製の滑り止めを使った手袋が利用されていました。
開発の過程で利用者が「生ゴムは雨にぬれると滑りやすい」「生ゴムを使った手袋はハンドリムとの相性はよいが価格が高い、受注生産が多くほしいときに手に入りづらい」といった悩みを抱えていることが明らかに。
利用者の悩みに寄り添い、普段使いしやすく、濡れても滑りづらい、耐久性もある車いす用グローブを目指しました。
開発のポイント
- ・様々な障害の度合いに対応できる汎用性の高さ
- ・購入しやすい価格設定を可能にする素材の選定
- ・着脱のしやすさ
- ・ぬれたときの滑り止めの効果
使う人への思いやりが細部に宿る
1年をかけて利用者と試行錯誤を重ねて作り上げました。
車いす用グローブをよく見ると、様々な素材とパーツが組み合わされていることに気づくでしょう。利用者の悩みを聞き、一つ一つの素材を厳選し、使いやすさや快適性につながる機能を持たせていています。
素材選びには、長年スポーツ手袋を企画・製造してきた専門知識や実績が活かされています。試作品の試験にはパラ卓球選手が協力。試作品を着用して10kmの長距離を車いすで走り、耐久性を確認しています。
車いす用グローブの特徴
形状
親指と人差し指は固定し、その他の指は自由に動かせる形状としました。
親指と人差し指の2箇所を固定することで、手に着用しすくなりました。様々な障がいの度合いがありますが、親指と人差し指は度合いに関わらず通しやすいことも形状の決め手になりました。
指の部分の長さは適度にホールド感がありつつ、指の動きの邪魔にならない長さをミリ単位で調整しています。
親指と人差し指の部分は当社オリジナルの型押しが入った生地を使用。やわらかい生地で指の太さにあわせて伸び縮みします。
手のひら
手のひらはハンドリムと接触するため、一番ダメージが大きい箇所です。摩耗に強いグリップ性もある人工皮革を採用しています。ゴム素材に比べて雨にぬれても滑りづらいという評価を頂いています。手のひらから小指側面まで生地を広げることでハンドリムと生地の接触面積を広げています。
摩耗しやすい箇所の縫い合わせをジグザグに縫製することで、縫製部分の強度をあげて糸切れしにくくしています。
滑り止め
手のひらの部分の裏面と人差し指の部分にスエード生地を使用しています。スエード生地は起毛しているため雨や手汗でぬれても滑りづらい効果があります。また、不織布構造になっているため通気性も高く、摩耗はしても表面が剥がれるということもありません。
クッション
手のひら部分にクッションパーツを入れて、手とハンドリムのフィット感を高めています。タイヤからの衝撃吸収の役割もあります。
手の甲
全体を面ファスナー(*1)のメス面(柔らかい面)とし、手の甲の厚みにあわせて好みの位置で留められるようにしています。
手で着脱しづらい方が口で留められるように配慮した構造にしています。
指のマチ
伸縮性のある生地を挟み込み、指の動きやすさを確保しています。
または
ユーザー紹介
車いす卓球選手を中心とした大阪の卓球チーム「ファンタジスタ」様。
握力が弱い選手は、日常生活で車いす利用するときにも車いす用グローブをはめています。車いすのハンドリム(タイヤの外側に付いている持ち手)を手で握るのが困難なため、グローブの摩擦力でとハンドリムを操作しています。
車いす用グローブの開発では試作品を試してもらい、機能性や使い勝手などをアドバイスいただきました。商品完成後は日常生活に愛用してくれています。
インタビュー:ファンタジスタ 今井様、宇佐見様

レガンの車いす用グローブの開発前は何を使っていましたか?
レガンさんの車いす用グローブを使う前は、革製で手のひら部分に生ゴムのすべり止めが付いたグローブを使用していました。
けっこう重たく硬かったので、そのグローブをはめると指が使えなくなってしまうことが難点でした。たとえば、自販機でジュースを買うときには、グローブを外さなければ小銭をつかめません。膝の上にグローブを置いていたら、床の下にグローブが落ちてしまい、そのグローブを拾うのにまた一苦労。これは実体験がない人にはなかなか分からないかもしれません。
なんと言っても怖いのは雨の日です。生ゴムのすべり止めは水にぬれると効かなくなってしまいます。ちょっとした坂道でもブレーキがかけられなくなるので、命の危険を感じるぐらい怖いのです。また、革に水が染み込んで重たくなるし、臭いにおいも気になってました。
車いす用グローブの気に入っている点は?
一番助かるのはやっぱり雨の日です。レガンさんの車いす用グローブは雨にぬれてもすべりにくいです。家から駐車場までの間にわずかな坂道があるため、これまで雨の日には外出を控えることも多くありました。レガンさんの車いす用グローブのおかげで雨の日にも外出しやすくなりました。
フィット感のよい、軽くて柔らかい素材なので、グローブをはめたままでもわずかに動く親指を使うことができます。グローブをはめたまま小銭もつかめるので買い物のときにも助かります。
ブルーのラインのアクセントなど見た目のおしゃれさも気に入っています。ファッション性にこだわる人も使いやすいのではないでしょうか。
購入しやすい価格も利用者にとってはうれしいですね。

開発でアドバイスをした点は?
まずは雨にぬれてもすべりにくい素材を探してもらいました。レガンさんはスポーツ手袋のノウハウを活かして良い素材を選んでくれました。
握力が弱い人は、面ファスナーの部分を口で引っ張って留めることが多いので、面ファスナーの縦の幅を通常のスポーツグローブよりも広めにしてもらいました。幅が広すぎると手首を曲げたときに面ファスナーが当たり擦れてしまうので、何度も幅の広さを調整しました。
また、手のひらにはクッションパーツを入れてもらました。クッションで手のひらの衝撃が緩和されるので、長時間走っても手のひらが痛くなりません。試作品の試走では10kmぐらい軽く走っていました。
これからどんな人に使ってもらいたいですか?
これまで使用していた車いす用グローブは、握力の弱い人向けに使用が限定されていたように感じます。レガンさんの車いす用グローブは、握力のある人にも使ってもらいたいですね。とくに雨の日には助かると思います。
また、車いす用グローブはごついデザインで使いづらいと感じている人や女性にもレガンさんの車いす用グローブをおすすめしたいです。今後、ブルーのラインに色のバリエーションが増えると、もっと楽しく使えそうです。
利用シーン
- ・車いす利用者:車いすのハンドリムと手の間に起こる摩擦から手を保護します
- ・パラスポーツ:パラスポーツの初心者モデルとして活用できます
- ・医療機関と協同し、リハビリ時や杖の使用時などで活用を検討しています
(*1)面ファスナーとは
面的に着脱ができる接着テープのこと。オス面(チクチクする硬い面)とメス面(柔らかい面)を合わせて接着させる素材です。